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他の相続人の相続放棄によって一人当たりの遺留分も当然に増加するか

他の相続人の相続放棄によって一人当たりの遺留分も当然に増加するかというご質問を頂きました。
結論的には増加すると考えます。
確かに、放棄した相続人の遺留分が他の共同相続人に帰属するのが、おかしいのであって、遺留分だけの放棄では、1043条2項により「他の各共同相続人の遺留分に影響を及ぼさない」とされていますから、遺留分を含む相続権全部の放棄の場合にも、他の共同相続人の遺留分は増加しないと考えられるかもしれません。
http://www.tanda-fk.com/article/206115840.html
https://yourbengo.jp/qas/1377/
など、弁護士を含む専門家ですらも、増えないという意見を述べられています。

 

しかし、そのような解釈はできないでしょう。
1028条は、「相対的遺留分の割合を、遺留分権利者たる相続人の種類により、直系尊属のみが相続人であるときは3分の1、その他の場合は2分の1と定めるのみで、相続人の数とは関係ないという立場をとっていますから、相続人の人数の増減により、一人当たりの遺留分も当然に増減します。
1043条2項は、相続人が遺留分権のみを放棄した場合についての特別規定であって、相続放棄の場合に類推適用することはできないでしょう(大阪高判昭和60・3・20判例タイムズ560号144頁、伊藤昌司「共同相続人の相続放棄と個別的遺留分」判例タイムズ五九八号一四七頁)。
上記裁判例も、8名の相続人の内4名が相続放棄を行った事案ですが、「右事実によれば、英三郎(注:被相続人のこと)の相続人はその子である被控訴人ら4名のみであることが明らかであり、被控訴人らの遺留分権利者として各自英三郎の相続財産につき8分の1の遺留分を有するものといわなければならない」と判示しています。

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