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前回記事に引き続き、税法の最近の判例の抜粋です。私道に関する相続評価、遺産分割協議の合意解除について更正請求ができるかの二点です。

 

東京地裁平成27年7月16日

私人が所有する道という広い意味で私道をとらえた場合、各敷地所有者が共有する道で、複数の建物敷地の接道義務を満たすために建築基準法上の道路とされているものもあり、他方、宅地の所有者が事実上その宅地の一部を通路として一般の通行の用に供しているものも有り得る。・・・本件各土地はいずれも公道に接しており、本件各歩道状空き地は、接道義務を果たすために設けられたものではないため、私道としての建築基準法上の利用制限が課されることにならない。・・・本件各土地は、Xらの意志により、その利用形態を変更すれば、上記制約を受けることもなく、通常の宅地と同様に利用できる潜在的可能性とその価値を有している。本件制約の態様は、歩道としての供用が求められているに過ぎない。

 

最判平成29年2月28日

相続税に係る財産の評価において、私道の用に供されている宅地につき客観的交換価値が低下するものとして減額されるべき場合を、建築基準法等の法令によって建築制限や私道の変更等の制限などの制約が課されている場合に限定する理由はなく、そのような宅地の相続税に係る財産の評価における減額の要否及び程度は、私道としての利用に関する建築基準法等の法令上の制約の有無のみならず、当該宅地の位置関係、形状等や道路としての利用状況、これらを踏まえた道路以外の用途への転用の難易等に照らし、当該宅地の客観的交換価値に低下が認められるか否か、また、その低下がどの程度かを考慮して決定する必要があるというべきである。

 

大阪地判平成26年2月20日

相続人の一人がほかの相続人に対して当該協議において負担した債務を履行しないときであっても、他の相続人は民法541条によって当該遺産分割協議を解除することができないと解するのが相当・・・原告ら及びBは平成6年遺産分割協議が解除されたことを確認し、それを前提として平成22年遺産分割協議をしているのであるから、少なくとも原告らとBとの間には平成6年遺産分割協議を解除することにつき黙示的な合意がされたものと認めることが相当である。・・・平成6年遺産分割協議から約16年が経過した後に、Bからの各代償債務の履行が望めないとして、平成6年遺産分割協議に基づく連帯納付義務を免れるために、平成6年遺産分割協議を合意解除することは、通則法施行例6条1項2号にいう「やむを得ない事情」には該当しないというべきである。

 

大阪高判平成27年3月6日

遺産分割協議を債務不履行を理由として解除することができないことは最高裁判所平成元年2月9日判決の判示するとおりである。・・・控訴人らが平成6年遺産分割協議を合意解除し、平成22年遺産分割協議を成立させたのは、控訴人らも自認する通り連帯納付義務を免れること、すなわち租税回避が目的である。更正の請求の基礎となる事情変更が発生した後、3年以上もの期間が経過した後に租税回避の目的で遺産分割協議の合意解除及び再分割を行うことを認めた場合には、更正の理由となる事実の生じた日の翌日から起算して2月以内の期間に限って更正の請求を認める通則法23条2項3号の趣旨を没却することになる上、親族間でいつでも租税回避を目的とした遺産分割協議の恣意的な合意解除と再分割を行うことを許す結果ともなりかねず、相当ではない。・・・解除等の原因となった事実の発生から合理的な期間を超えて長期間が経過した後に解除等がされたような場合には、当該解除等がやむを得ない事情によってなされたとは言えないと解するべきである。

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